前回のメルマガでもお伝えしたとおり、決して低くない公益認定ハードルにもかかわらず、公益法人を目指す理由は何でしょうか。以下に公益法人の主なメリットを挙げてみます。
「公益」という名称は、公益認定を受けていない法人は使うことが出来なくなります。「公益」の名称を利用することで社会的信頼を維持するとともに、外部からの寄付を受けやすくなる点が挙げられます。また、“「公益」=存在意義 “との考えている法人も多く、非常に重要なPOINTとなります。
公益法人の税務は、公益事業と収益事業に分けられ、収益事業のみに課税が為されます。また、収益事業の利益は公益事業へ寄付したものとみなして税務計算を行うことになります。
このように考えると、一般法人として税額計算した場合より、税額が少なくなると思われがちです。しかし、赤字の公益事業を計算に含めたほうが、税額が少なくなることもありますので、税務のメリットがあるかどうかは事業形態により異なるようです。一度、税理士等の専門家にシミュレーションを依頼するのも良い方法かと思います。
一方、公益法人になることの主なデメリットとしては、どのようなことが考えられるでしょうか。
「公益法人制度改革の概要」でお伝えした認定基準の中の、「法人の主たる目的」「収支相償」「公益目的事業費率」「遊休財産額」などを満たすために、事業の変更、改善が求められることになります。
公益認定後も認定基準を維持しているかなどを確かめるため、行政庁へ対しての定期的に報告を行い、立ち入り検査を受けることになります
最後に一般社団、財団法人となる重要デメリットのご紹介です。
今まで「公益」であった法人が、「一般」の法人となった場合、公益目的支出計画に基づいて、移行時の純資産がゼロになるまで公益目的に支出しなければなりません。特に金融資産の運用収益を財源として活動をしていた場合は当該資産を処分することで法人活動の存続が困難になり、また、不動産を処分が必要な場合はその一部を売却することが困難であるなど、大きな影響が想定されます。