∠∠∠∠∠∠∠∠∠∠ メルマガ back number のご紹介 ∠∠∠∠∠∠∠∠∠∠
1.概要
平成18年10月に「関連当事者の開示に関する会計基準」「関連当事者の開示に関する会計基準の適用指針」が公表されました。
関連当事者とは対象会社の意思決定に重要な影響を与えることができる個人または会社を言います。
関連当事者は対象会社と取引を行う際に関連当事者自身に有利な条件で取引を行うことができる立場にありますので、会社の利益が不当に害されることがないよう、当該取引について開示が求められます。
従来より、関連当事者取引は開示が求められていましたが、会計基準は存在しておらず、国際的なコンバージェンスの観点から会計基準及び適用指針が整備されました。
2.関連当事者の範囲
「ある当事者が他の当事者を支配しているか、又は、他の当事者の財務上及び業務上の意思決定に対して重要な影響力を有している場合の当事者等」と規定されており、具体的に以下のものが該当します。
「親会社」「子会社」「兄弟会社」「他の会社が関連当事者である場合の他の会社」「役員」「主要株主」などなど・・・。
基準にはすべて記載されていますので、多少なりとも「息がかかる」関係だと思われる場合は確かめる必要があります。
今回に基準設定により関連当事者の範囲が追加されましたので、ご紹介いたします。
(1)親会社の役員及びその近親者
(2)重要な子会社の役員及びその近親者
(3)従業員のための企業年金
3.開示対象となる関連当事者取引
従来は連結財務諸表提出会社と関連当事者との取引が対象となっていましたが、会計基準では、連結財務諸表提出会社の連結子会社と関連当事者との取引も対象に含まれています。
また、従来通り関連当事者が第三者のために会社と行う取り引き、会社と第三者との取引で関連当事者が影響を与える取引、無償取引、形式的に第三者を経由する取引も含まれますので注意が必要です。
4.開示対象外とされる関連当事者取引
逆に開示対象外の取引は、従来通り、連結相殺された取引、一般競争入札や預金利息のように一般取引条件が明確である取引、役員に対する報酬や賞与などとなります。
5.関連当事者に関する開示
開示事項は従来通りの、関連当事者の概要、取引の内容、金額、取引条件などに加え、関連当事者に対する債権の貸倒引当金繰入額等の情報も開示が求められることになりました。
また、新たに親会社情報(名称、上場の有無)、重要な関連会社の要約財務諸表の開示も求められます。
6.会社計算規則との相違
当会計基準においては、連結財務諸表にて関連当事者の開示を行っている場合は、個別財務諸表での開示は求められていませんが、会社計算規則では個別注記表に関連当事者情報を記載し、連結注記表には記載不要とされています。
7.適用時期
平成20年4月以降に開始する事業年度から適用されます。ただし、平成19年4月以降に開始する事業年度に対して早期適用することも認められています。
最新の公益法人関連のメルマガは公益法人特集をご覧ください。